習い事にクーリング・オフはある?(特定商取引法の対象を確認)
結論
特定商取引法の「特定継続的役務提供」には、語学教室・パソコン教室・学習塾など7つの役務が決められていて、語学教室・パソコン教室・学習塾は「期間が2か月を超え、金額が5万円を超える」契約が対象です。対象なら、書面を受け取ってから8日以内のクーリング・オフと、中途解約の上限額のルールがあります。
インターネットなどで提供される場合も含まれると消費者庁のガイドに書かれています。
ただし、子どもの習い事が対象になるかは種類と契約の中身によります。英会話は語学教室、プログラミングはパソコン教室に当たる可能性がありますが、そろばんやロボット教室は7つの役務の名前に入っていません。当サイトは個別の契約が対象かどうかを断定しません。迷ったら消費者ホットライン「188」へ。
特定商取引法の「特定継続的役務提供」とは?
特定商取引法は、トラブルが起きやすい取引について、事業者が守るルールと、消費者を守るルール(クーリング・オフなど)を決めた法律です。そのうち「特定継続的役務提供」は、長い期間にわたって続くサービスで、金額が高くなりやすい7つの役務が対象です。
| 役務 | 期間の要件 | 金額の要件 |
|---|---|---|
| エステティック | 1か月を超える | 5万円を超える |
| 美容医療 | 1か月を超える | 5万円を超える |
| 語学教室 | 2か月を超える | 5万円を超える |
| 家庭教師 | 2か月を超える | 5万円を超える |
| 学習塾 | 2か月を超える | 5万円を超える |
| パソコン教室 | 2か月を超える | 5万円を超える |
| 結婚相手紹介サービス | 2か月を超える | 5万円を超える |
(消費者庁 特定商取引法ガイドより、2026年11月2日確認)
金額の「5万円を超える」は月謝1か月分ではなく、契約金の総額で見ます。ガイドでは、入学金・受講料・教材費・関連商品の販売などを合わせた総額が5万円を超えると対象になると説明されています。
子どもの習い事に関係しそうなのは、語学教室・パソコン教室・学習塾・家庭教師です。
それぞれの定義は?(習い事に当てはまる?)
消費者庁のガイドに書かれている定義は次のとおりです。
- 語学教室:「語学の教授(入学試験に備えるため又は大学以外の学校における教育の補習のための学力の教授に該当するものを除く)」
- パソコン教室:「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」
- 学習塾:学校(幼稚園及び小学校を除く)の入学試験に備えるため又は学校教育の補習のための、学校(幼稚園及び大学を除く)の児童、生徒又は学生を対象とした学力の教授(事業者が用意する場所で提供されるもの)
- 家庭教師:同じく入学試験に備えるため又は学校教育の補習のための学力の教授(学習塾以外の場所で提供されるもの)
ガイドでは、幼稚園・小学校の「お受験」対策や、浪人生のみを対象とするコースは学習塾の対象外とされています。
習い事の種類ごとの考え方
| 習い事 | 関係しそうな役務 | 当サイトの見方 |
|---|---|---|
| 子ども英会話 | 語学教室 | 2か月超・5万円超の契約なら当たる可能性がある |
| プログラミング教室 | パソコン教室 | 「電子計算機の操作に関する知識又は技術の教授」に当たる可能性がある |
| そろばん教室 | 名前には入っていない | 学習塾(入試・補習のための学力の教授)に当たるかは内容次第 |
| ロボット教室 | 名前には入っていない | 内容と契約による |
| 学習塾(補習・受験) | 学習塾 | 2か月超・5万円超なら対象 |
この表は、法律の定義と習い事の内容を並べた当サイトの整理で、個別の契約が対象かどうかを判断するものではありません。月謝制で1か月ごとに更新する契約なのか、数か月分をまとめて契約するのか(一括プランなど)でも判断が変わる可能性があります。実際の判断に迷ったら、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。
対象ならどんなルールがある?
8日以内のクーリング・オフ
法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で契約を解除できます。事業者がうそを言ったり、威圧したりしてクーリング・オフをさせなかった場合は、8日を過ぎても解除できるとされています。
中途解約と上限額
クーリング・オフの期間を過ぎても、将来に向かって契約を解除(中途解約)でき、事業者が請求できる金額には上限があります。
| 役務 | サービス開始前 | サービス開始後(提供済みの対価に加えて) |
|---|---|---|
| 語学教室 | 1万5000円 | 5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 |
| パソコン教室 | 1万5000円 | 5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 |
| 学習塾 | 1万1000円 | 2万円又は1か月分の授業料相当額のいずれか低い額 |
| 家庭教師 | 2万円 | 5万円又は1か月分の授業料相当額のいずれか低い額 |
関連商品も一緒に解除できる
サービスを受けるために買う必要がある「関連商品」も、本体の契約をクーリング・オフ(または中途解約)すると一緒に解除できます。語学教室なら書籍(教材を含む)やCD・DVDなど、パソコン教室ならパソコン本体や部品、書籍などが関連商品として決められています。
オンラインでも対象
消費者庁のガイドには、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれると書かれています。オンライン英会話やオンラインのプログラミング教室だから対象外、というわけではありません。
契約前にやっておきたいこと
- 契約の期間と総額を書面で確認する:月謝制か、数か月分の一括払いか。一括なら、期間と総額が2か月超・5万円超に当たるか。
- 教材・機器は本当に必要か確認する:関連商品に当たるものは、解約のときの扱いも聞く。
- 解約・返金の条項を読む:特定商取引法の対象でなくても、契約書や利用規約の条件が適用されます(やめどき・休会)。
- 長期割引のプランは途中解約の清算方法を確認する:GLOBAL CROWNの12ヶ月プランのように、途中解約で差額を請求すると書かれているものがあります。
トラブルになりやすい場面は?
習い事の契約でトラブルになりやすいのは、次のような場面です。対象になるかどうかにかかわらず、契約前に確認しておきましょう。
- 体験当日の契約:「今日入会すれば入会金無料」と言われ、総額や解約条件を確かめずに契約してしまう。割引の期限が短い場合も、家に持ち帰って検討する時間をもらう方が安全です。
- 教材のまとめ買い:数年分の教材を一括で買う契約。途中でやめたときに、未使用の教材をどう扱うかを確認します。
- 一括払い・長期割引:月額が安くなる代わりに、途中解約の清算方法が決まっている契約。清算の計算式を書面で確認します。
- 自動更新:契約期間が終わると自動で更新される契約。更新前に連絡しないと、次の期間分がかかることがあります。
困ったときは、契約書面と支払いの記録を手元に用意して、消費者ホットライン「188」に電話してください。お近くの市区町村や都道府県の消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます。消費者庁につながる番号ではない点に注意してください。
契約書面で確認したい項目
特定継続的役務に当たるかどうかにかかわらず、習い事の契約書面や利用規約では、次の項目を確認しておきましょう。
- 契約の期間と、自動更新の有無
- 支払う金額の総額(入会金・月謝・教材費・関連する商品の代金)
- 解約・休会の方法と期限、途中解約の清算方法
- 振替・欠席の扱い
- 事業者の名称・住所・連絡先
習い事の「入会前チェックシート」と、分野別の費用の注意点をメールで受け取る(無料・全10通)
プログラミング・そろばん・英会話のうち、いちばん気になる分野に合わせた内容をお送りします。配信はいつでも停止できます。
よくある質問
- 子ども英会話はクーリング・オフできる?
- 特定商取引法の「語学教室」は、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約が対象です。子ども英会話の契約がこれに当たれば、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできます。月謝制など契約の形によって判断が変わる可能性があるので、当サイトは個別の契約について断定しません。
- プログラミング教室は対象?
- 特定商取引法の「パソコン教室」は「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」と定義されていて、2か月超・5万円超の契約が対象です。プログラミング教室がこれに当たる可能性はありますが、内容と契約によるため断定しません。
- そろばん教室は対象?
- そろばんは、特定継続的役務の7つの役務の名前には入っていません。学習塾は「入学試験に備えるため又は学校教育の補習のため」の学力の教授と定義されているので、そろばん教室がこれに当たるかは内容によります。迷ったら消費者ホットライン188に相談してください。
- 途中でやめたら、いくら払う必要がある?
- 特定継続的役務に当たる場合、中途解約で事業者が請求できる額に上限があります。語学教室・パソコン教室は、提供開始前が1万5000円、開始後は提供済みの対価に加えて「5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額」です。学習塾は開始前1万1000円、開始後は「2万円又は1か月分の授業料相当額のいずれか低い額」です。
- オンラインの習い事も対象?
- 消費者庁の特定商取引法ガイドには、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれると書かれています。
あわせて読みたい
出典・確認した情報
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026-11-02確認)
- 消費者庁 消費者ホットライン(2026-11-02確認)